Published: 2025-09-02 20:30

新型マクラーレン アルトゥーラが、新時代の乗り味であるワケとは？

アップデートされた最新のマクラーレン「アルトゥーラ」を、小川フミオがテストドライブ。現代のスーパーカーらしい乗り味を、リポートする。

【写真を見る】新型マクラーレン アルトゥーラの全貌（16点）

実際、最新のアルトゥーラは、鋭い加速性能を味わわせてくれる。

重さを感じさせないところがアルトゥーラの美点で、反応がとてもよいステアリングと、しなやかにたわむ車体の動きと、たっぷりと駆動トルクを出すパワートレインの、見事な組み合わせだ。

このところ、目に見えてマクラーレン各モデルのドライブフィールが向上しているように、私は感じている。アルトゥーラも例外でない。

しかも、EVモードで静かなドライブを味わうこともできる。マクラーレンが新時代に入ったのだという感を強くした。

インテリアは、モニター内での操作機能を増やしたこともあり、よりシンプルなデザインになっている。

ステアリングホイールを操作したときのフィールを重視して、さまざまな操作ボタンをあえてそこに設けなかったと聞いたことはあるが、ピュアな走行性能を重視するマクラーレンらしい！ と、感じられた。

2025年3月に、マクラーレン・オートモティブ本社で、販売とマーケティングを担当するヘンリク・ウイルヘルムマイヤーという人に会ったとき、彼がマクラーレン・オートモーティブに、ロールス・ロイスから移ってきて発見したのは、「ブルース・マクラーレンが設立したレーシングスピリットがいまも強く息づいている会社です」と、言っていた。

「（F1などを担当する）マクラーレン・レーシングと、マクラーレン・オートモーティブとがひとつ屋根の下にいて、エンジニアリングをなにより重視して製品を開発する姿勢が共通しています」というのを聞いて、得心がいった。

かといって、アルトゥーラは、よほどスポーツカーの運転に習熟した人しか操れない……などということはない。

視界はいいし、ダイレクトな操作感ゆえモタモタとすることがなく、かつ乗り心地はよいので、ゴルフにだって乗っていける。

そろそろ、スタイリングを新しい時代に向けて変革する時期が来ているかもしれない。

もっとも、マクラーレンは自社製品の魅力をきちんと把握しているので、ファンは裏切られないはずだ。そこがすばらしいなぁと、感心した。