Published: 2025-07-15 20:30

新型プジョー3008が、“次世代フラッグシップモデル”にふさわしいSUVだった理由とは？

フルモデルチェンジしたプジョーの新型「3008」に、 『GQ JAPAN』ライフスタイル・エディターのイナガキが乗った。フレンチSUVの大胆な進化に迫る。

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新型プジョー3008の運転席まわりのデザインは、独特だ。唯一無二のデザインは、SF映画に出てくる宇宙船……とは、たとえがオーバーかもしれないものの、それくらい斬新である。

新開発の「PEUGEOT Panoramic i-Cockpit（プジョー パノラミック アイコックピット）」は、従来のPEUGEOT i-Cockpitの進化版だ。PEUGEOT i-Cockpitは、小径ステアリングとヘッドアップインストルメントパネル、そして大型タッチスクリーンを組み合わせたレイアウト。

2016年に配信されたプジョーのプレスリリース（New PEUGEOT i-Cockpit ～新しく進化したアイ・コックピット、より多彩な機能～）には「PEUGEOT i-Cockpitは、2012年の初登場以来、220万人を超える顧客に愛用されています。ヨーロッパや中国における顧客調査では、PEUGEOT i-Cockpitを装備したモデルのドライビングはとても刺激的である、との結果を得ています」と、記されていた。「刺激的」というワードが興味深い。

コクピットまわりで、よく使う表現としては「先進的」「快適」「高級」といったワードだ。それゆえ、“刺激的”は聞き慣れない。一部のスーパーカーブランドはともかく、量販ブランドとしてはプジョーくらいかもしれない。PEUGEOT i-Cockpitは、多くのコクピットデザインと一線を画す。

最新のPEUGEOT Panoramic i-Cockpitは、21インチのパノラミックスクリーンがi-Cockpitと融合したのが最大の特徴だ。CセグメントのSUVでは、最大級の画面サイズである。

パノラミックスクリーンは高解像で視認性に優れる。しかも、スクリーン表面がドライバーに向けてゆるやかにカーブしているので操作性も良好。ダッシュボード中央にはカスタマイズ可能な「i-Toggles（アイトグル）」を置く。計10個のショートカットキーをカスタマイズ可能だ。

i-Toggles近くにはオートマチックトランスミッションの操作スイッチを設置。かつてのアンフィニ「MS-8」のインパネシフトレバーを彷彿とさせる。慣れれば操作性は良い。

新型プジョー3008のPEUGEOT Panoramic i-Cockpitは、ちょっと変わったデザインであるため、各種スイッチが、一般的なクルマと少々異なる場所にある。最初こそ戸惑ったものの、10分ほど運転すればすぐに馴染む。むしろ、「あ、これは使いやすいかも」と、思った。ただ先進性を追い求めるのではなく、実用性もしっかり考慮されているのだ。

試乗したGT（アルカンタラパッケージ）グレードのシートは、人工皮革であるアルカンタラ素材をシート中央部に使用。ショルダー部までホールドするサイドサポートには、アダプティブボルスター機能をプジョー初採用した。Cセグメントでは、あまり採用のない贅沢装備だ。機能面では、もはやDセグメント並だ。