Published: 2025-09-24 20:30

新型レヴォーグSTIスポーツ Rブラック リミテッドが、実にバリューフォーマネーなモデルだったワケとは？

年次改良を受けたスバルの新しい「レヴォーグ」に設定された、特別仕様車「STIスポーツ Rブラック リミテッド」を大谷達也がテストドライブ。今や希少な高性能ステーションワゴンの印象を綴る。

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ところが年次改良モデルは、この私がいちばん気になっていた点がすっかり解消されていたのだ。結果、今やコンフォートモードとノーマルモードはベーシックグレードと変わらない快適性を手に入れたほか、もっともハードなスポーツ＋モードは、ボディの無駄な動きをしっかりと抑え込みながらも妙にゴツゴツしたところのないので、それこそ普段遣いにも使えそう。つまり、コンフォート・モードに限らず、全モードで快適性が大幅に向上したのである。

エンジンはなかなか力強い。たとえば市街地では中低速域の鋭いレスポンスが味わえるほか、高速道路やワインディングロードでは高回転域の伸びやかな加速感も楽しめる。また、スバルのお家芸である水平対向4気筒エンジンは、向かい合うピストンの衝撃を互いに打ち消し合うレイアウトのため、直列4気筒にありがちなゴロゴロとした振動を発することなく、スムーズな回転フィールをもたらしてくれる。上質なエンジンといっていいと思う。

こうなってくると、レヴォーグの扱い易いボディサイズに改めて着目したくなる。

そもそも、レヴォーグの“グランドツーリング”というコンセプトは1989年にデビューした「レガシィツーリングワゴン」によって生み出されたもの。しかし、北米市場からの要望によりボディサイズが拡大していったレガシィは、いつしか日本の道ではやや持て余してしまうほど大きくなってしまった。

そこでスバルが日本のファンのために作り出したのがレヴォーグだった。このため、2代目に生まれ変わった今も、レヴォーグは全長×全幅×全高＝4755×1795×1500mmというほどよいサイズを維持。例えば住宅街の細い路地を走るなど、日常的な使い勝手にこだわった大きさを守り続けている。

ワゴンボディゆえにスペースユーティリティは高く、大人4人が寛げる室内空間が確保されている。価格も、ハイパフォーマンス版のR-ブラック・リミテッドは¥5,368,000とやや高価だが、前述したベーシックグレードのスマート・エディション EXなら¥3,630,000からとお手頃。今や希少モデルとなりつつあるステーションワゴンとして実にバリューフォーマネーなモデルだと思う。